【今の知識じゃもう古い?】 ベットする目的について解説

ポーカー民の皆さんこんにちは。

本記事では、「ベットをする目的」について解説していきたいと思います。

最近まで、ベットする理由は2つあるというのが一般的な通説でした。

一つは、自分より弱いハンドからコールしてもらい、バリューを取りに行く「バリューベット

もう一つは、弱いハンドで相手にブラフし、相手の自分より強いハンドをフォールドさせにいく「ブラフベット

この二つのベットする目的は間違ってはいませんが、完全に正確というわけではありません

確かに、リバーでのベットはこの二つの目的だけに絞られます。

しかしそれ以前でのストリートのベットに関しては、この二つだけの目的ではないことが最近開発されたポーカーのソフトウェアによりわかってきました。

※リバーでのベットの目的の理解が浅い方は必ず以下の記事を先にお読みください

目次

ベットをする本当の目的

以下が、近年判明したベットをする2つの本当の目的です。

1.勝ったときのために、より大きなポットを作るため。

2.相手にエクイティを実現させないため。

(※エクイティの実現の阻止とは、ベットすることでショーダウン以前で相手をフォールドさせ、相手が本来持っていたであろうエクイティ(勝率)を実現させることを防ぐこと)

これまで常識とされてきた1.バリューベット 2.ブラフの 二つの理由とは異なって、上記の2つの理由に関してはお互いに矛盾するものではないです。

そしてベットするのに一番最適な状況は、この二つの両方の理由が満たされたときであることがわかります。

次のような例を使い、解説していきます。

例:$2/$5 キャッシュゲーム 6人テーブル

あなたがカットオフからAJを持っており、$15にレイズし、ビッグブラインドのプレイヤーがコールしたとします。

フロップ: Q5♣

ビッグブラインドがチェックし、こちらのアクションです。

この時、AJコンティニュエーションベットをしてもなんら問題はありません。

ただ、従来の目的二つだと、このハンドはブラフをするにしては強すぎますし、バリューベットにしてもバリューを取るターゲットとなるところがあまりみえてきません。

一方で、上記に挙げた二つの理由を当てはめるとどうでしょう。

このハンドは、

1.勝ったときのために、より大きなポットを作るため。

という目的は果たせるでしょう。

もし相手がペアを持っていたり、こちらよりも低りフラッシュドローを持っていたりすれば、フラッシュを完成させた時やAがヒットした時、より大きなポットを獲得できます。

そして、

2.相手にエクイティを実現させないため。

という目的もある程度果たせます。

こちらのハンドは非常に強いドローがあるにせよ、相手が7♣6♣などの現状7ハイの何も役がないハンドに対しても約25%も負ける可能性があります。

そういったハンドに対して、ベットをすることでそのハンドが持つエクイティを放棄させることができるため、2の目的も果たせると言えます。

この2つのベットする目的について理解すれば、どのようなハンドでよりコンティニュエーションベットを打つべきかもわかるようになります。

例えば、以下の2つのハンドの例を見てみましょう。

例:$1/$3 キャッシュゲーム 6人テーブル

あなたはUTGに座っており、$10にレイズし、ビッグブラインドのプレイヤーがコールしたとします。

フロップ:K♣53

相手はチェックをし、あなたのアクションです。

この場面を、77♠ と Q♣ Q♠ の2 つのハンドで考えてみましょう。 

どちらのハンドもフロップでベットするには十分な強さで、ビッグブラインドがこちらのCベットにコールするべきハンドレンジを考えれば、両方のハンドにバリューがあると言えるでしょう。

具体的にBBのコールレンジとしては、Aハイやこちらよりも低いペア(22-77、A4、76 など)が想定されます。

つまり、この場面では77♠ と Q♣ Q♠、 どちらのハンドもベットする目的の第一条件である「勝ったときのために大きなポットを構築すること」を満たしているといえます。

一方で、2つ目の理由の基準でこのハンド見てみると、この二つのハンドの違いは明確になってきます。

簡単に言うと、77でベットすると、QQでベットするよりもビッグブラインドの「エクイティの実現をより大きく阻止できる」と言えます。(勝率実現阻止

もう少しわかりやすく解説していきます。

こちらがベットをすると、ビッグブラインドはレンジの中で何個かのハンドをフォールドします。

例えば、弱いAハイやQハイ、T9や98などのハンドなどはフォールドをするでしょう。

例えばこちら側がQQを持っていて、相手が98の場合、相手の98はポットを取る可能性が非常に低いです。

なぜなら相手はランナーランナーのストレート、バックドアフラッシュ、トリップス、ツーペアなどをヒットする必要があるためです。(約3.88%ほどしか勝率がない)

さらに、もしこちらがチェックすると、後のストリートで相手がブラフを仕掛けてきたり、QQより低いペア(9のペア等)をヒットしてこちらはバリューを取ることができるようになります。

一方で、もしこちらが77を持っている場合、98のようなハンドでさえもターンやリバーでこちらのペアより強くなる可能性が大いにあります。

例えば、上記のK♣53のボードで相手が98oを持っている場合、こちらの77♠に対して約25%のエクイティを持っています。

ベットをすると、こちら側のハンドに対して十分なエクイティのあるハンドを数多く相手にフォールドさせることができるので、相手が後のストリートでこちらのハンドより強いペアを作るチャンスを奪うことができます。

また、ターンやリバーで都合の悪いカードが来たときに、相手からブラフされてポットを奪われることもなくなります。(77はQQよりも多くのオーバーカード(スケアカード)があります)

77の方が弱いハンドであるのにもかかわらず、この場面では77でベットをすることがQQでベットをするよりも「より重要」なことはおわかりいただけたでしょうか。

まとめ

この記事を読むことで、プリフロップ・フロップ・ターンでベットする本当の目的が理解できたかと思います。

この2つの理由を知れば、今後の自分のベットを自ら評価できるようになります。

たくさん練習を重ねれば、GTOと同じような思考プロセスが自然に身に付き、その場その場で正確なベッティングをすることができるようになります。

本日の記事は以上です。

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