ポーカー民の皆さんこんにちは。
突然ですが、ポーカーの「レンジ」についてどう考えるかを正しく理解できていますか?
ポーカーにおいてレンジという概念は、上手くなるために最も重要なコンセプト、と言っても過言ではありません。
ポーカーの上手いプレイヤーと言うのは、単に色々なテクニックが使える、または恐れずブラフができる、といったプレイヤーではありません。
もちろん上記も大切ではありますが、「相手のレンジをいかに正確に読めるか」が最も重要となってきます。
この記事では、皆さんでもプロのようにレンジについて考える方法を紹介していきます。
まず最初に、ポーカーのレンジの定義から始めましょう。
レンジとは
レンジとは、あるプレイヤーがその時点で持っているであろうハンドの組み合わせのことです。
つまり、レンジとは相手をJ♣T♦のように特定のハンドで考えるのではなく、K9s, Q9s, JTs、と言ったように様々なハンドの組み合わせで考えるということです。
相手プレイヤーが持っているハンドをレンジという形で考えることは、ハンドの可能性をすべて考えることができるため、非常に大切です。
以下はノーリミットホールデムで配られる可能性のあるすべてのハンドを示しています。

oはオフスーツ、例えば6♣5♥(クラブの6とハートの5)
sはスーテッド、例えばA♥T♥(ハートのエースとハートの10)のようなハンドであることを示しています。
全部で1326通りあり、いずれかの組み合わせのカードが配られる可能性があります。
ハンドの組み合わせの可能性を表す方法として、この「レンジ表」を使用したりします。
例えば、ポケットクイーン、ポケットキング、ポケットエース、そしてすべてのエース・キングのハンドレンジが見たいとします。
そうすると、それはQQ+, AKs, AKoというように表され、レンジ表では以下のように描くことができます。

プレイヤーは、プリフロップでポットにお金を入れると決めた時点で、自分のレンジに関してある程度情報を明かしていると言えます。
例えばですが、誰かがUTG(アンダーザガン)から上位14%のハンドでプレイしているとします。その際のレンジは以下のようなものになります。

書き方は次の通りとなります。77+,A7s+,K9s+,QTs+,JTs,ATo+,KJo+,QJo
もちろん、実際にプレイするレンジはツールが出した結果とは違う可能性があるので、その時は自分が思う相手のレンジにするため修正を加えることができます。
レンジについて考えることは、ポストフロップにおいて相手のレンジに対して自分のハンドの価値を見極めるのに非常に有効となります。
ポストフロップ:レンジの考え方
ロージャックのプレイヤーが以下のオレンジ以上の部分(オレンジと赤色)のレンジでレイズし、あなたがビッグブラインドから7♠7♦を持っていてコールをしたとしましょう。

※プリフロップのレンジについては、こちらのプリフロップ戦略の解説記事でより詳しく説明しております。

フロップ:9♥ 6♦ 2♠
相手はフロップでC-ベットを打ってきて、あなたはコールすることにしました。
さて、あなたにとって都合の良いターンカードは何でしょうか?
それを考える際にはまず、相手がフロップにてベットをしてきた思われるハンドから考えてみましょう。
あくまで一例ですが、相手は、9持ちのペア、オーバーペア(AAやKKなど)含めそれ以上の役のハンド、T8s、78sやなどのストレートドロー、そしてオーバーカードを2枚持っているハンドでベットしてきていると仮定します。
そうすると、相手がベットしてきたレンジは以下のようになります。

赤=バリューベット 青=ブラフベット
なのでこの状況では、A,K,Q,J,Tがターンで落ちれば、ロージャックの相手プレイヤーの「レンジに有利」なことがわかります。
つまり、あなたはそれ以外のカードが落ちた方が、都合が良いと言えるでしょう。
一般的には、A,K,Qなどのハイカードはオリジナルレイザー側のレンジに好まれ、5~8などの中程度なカードはコールした側のレンジに好まれます。
レンジについて考えることは、相手のハンドを読みやすくするためだけでなく、あなたがベットをするかどうかの基準ともなります。
ベットをする上でのレンジの使い方
例えば、あなたがUTGから以下の赤い部分のレンジでプレイをしており、実際にA♥K♥が配られたのでオープンレイズをしたとします。

あなたのレイズに対し、ボタンに座っているプレイヤーが、以下のレンジでコールをしたとします。

濃い青=スリーベット、水色=コール
フロップ:5♣6♠7♦
このフロップにおいて、あなたはコンティニュエーションベットをするべきでしょうか?
まず、このフロップがどちらのレンジに有利なのか確認してみましょう。
今度はエクイラボというツールで、レンジ対レンジでどちらがの方がエクイティ(勝率)が高いかを見てみます。

これを見れば、
5♣6♠7♦のようなフロップは、コーラであるボタンのレンジの方が有利と言えます。
ポーカーでは、自分のレンジの方が有利な時はアグレッシブにプレイをし、反対に不利の場合はチェックなどを増やしパッシブにプレイをする、というのが定石です。
なので、この場面ではあなたはC-ベットの頻度を減らす方がベターと言えるでしょう。
反対に、A♦K♦2♠のようなフロップの場合を見てみます。

A♦K♦2♠のフロップの場合、UTGのあなたのレンジに圧倒的有利となります。
なので、あなたはレンジ全体でC-ベットを打つことがベターと言えるでしょう。
まとめ
ポーカーの各ハンドや状況を考えるためにレンジを使うのは、プロも実際に行っているアプローチです。
相手をハンドを1つに絞るのではなく、いくつかのハンドの可能性があることを認識することで、相手のプレイを理解し、自分のハンドとレンジにとってどのようなアクションがベストなのかを知ることができるようになります。
このレンジの考え方を応用すれば、相手のハンドを読む能力も上がります。
よろしければ、以下の「相手のハンドを読む方法」という記事もご一読ください。

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