ポーカー民の皆さんこんにちは。
本記事では、皆さんがポーカーでより勝つために非常に重要な「スリーベット」ついて解説していきたいと思います。
勝っているポーカープレイヤーは基本的にみんなアグレッシブです。
特にプリフロップでスリーベットを積極的にし、ポットを大きくしていくことは非常に重要です。
一方で、ほとんどのプレイヤーはスリーベットを必要よりもしていない現状があります。
本記事では、そもそもスリーベットとはなにか、スリーベットの頻度を多くすべき理由、
そしてどのようなハンドやサイズでスリーベットするべきなのか、実際のレンジをお見せしつつ解説していきたいと思います。
スリーベットとは?
3-ベットという言葉は、一般的には「プリフロップにおいての最初のリレイズ」を指しますが、後のストリートでのリレイズを指すこともあります。
ただし、本記事においてはプリフロップの3ベットのみに焦点を当てていきます。
もう少しわかりやすくスリーベットを言うのならば、例えば、他のプレイヤーがプリフロップでレイズし、あなたにアクションが回ってきたとします。
あなたはコール・フォールド・リレイズと全ての選択肢がありますが、もしあなたがリレイズをした場合、
そのアクションはスリーベットと呼ばれ、あなたはそのハンドのスリーベッターとなります。
なぜ3ベットの頻度を増やす必要があるのか
1.スリーベットをすることにより、自分が主導権を持ちつつプレイできる
ポーカーにおいて、自分が主導権を握ることは非常に大切です。
特に、弱いプレイヤーに対してスリーベットをすることで、相手をアイソレートをし、こちらが主導権を握りつつプレイすることは非常に利益的になります。
統計上でもアグレッサー(最後にレイズなどの攻撃的なアクションをしたプレイヤー)になることは利益的だとわかっています。
一般的に、プリフロップでのアグレッサーは、60%以上の確率でポットを獲得できると言われています。
フロップで相手がボードに絡まない可能性が3分の2ほどあることから、こちらがアグレッサーになりコンティニュエーションベットをすることで、高い確率でポットを獲得できるという統計は理にかなっていると言えるでしょう。
例を見てみましょう。
$1-$3 ライブキャッシュゲーム 有効スタック150bb
HJのプレイヤーが3bbにオープンレイズをし、あなたがJ♥T♥で9bbのスリーベットを選択し、
相手は9♠9♦でコールを選択。ヘッズアップです。
フロップ(19.5bb):A♥K♣7♣
相手はチェックをし、あなたは12bbのコンティニュエーションベット。
相手はフォールドを選択。
相手はあなたがスリーベットをしたことにより、AやKを持っている可能性が高いと考え、すんなりとベストハンドをフォールドしました。
あなたは、現状Jハイにも関わらず、スリーベットをし主導権を握ることで簡単にポットを獲得することができました。
こういった例にもある通り、スリーベットを多くすることによって積極的にそのポットの主導権を握りにいくことは良い戦略と言えるでしょう。
2. スリーベットをすることにより、そのポットの平均参加人数が減る
当たり前ですが、より多くのプレイヤーがポットに参加してくると、あなたの勝率は下がっていきます。
例として、AKの、対1人、2人、3人のランダムなハンドに対してのエクイティ(勝率)を比較を見てみましょう。

このエクイティ比較を見ればわかる通り、最強ハンドの一つであるAKsでさえも、相手はランダムなハンドであるのにも関わらず、3人を相手にすると50%以下の勝率となってしまいます。
なのでスリーベットによって、プリフロップにおいてより多くのプレイヤーにフォールドをさせ、そのポットを勝つ可能性を高くすることが重要となります。
3.スリーベットをすることにより、より戦いづらい相手になれる
ほとんどのプレイヤー(特にローステークスのキャッシュゲーム)は、プレミアムハンドのみでスリーベットをします。
基本的にQQ以上のハンドや、プレイヤーによってはそれに加えてJJやAKといったハンドでのみです。
もしあなたが今、JJ以上のハンドでしか3-ベットしないのであれば、はっきり言ってこちらはあなたと対戦するのは非常に楽です。
こちらはあなたの3-ベットに対して、AAやKKなどの一番強いハンド以外は迷いなくフォールドすることができ、その結果としてあなたはプレミアムハンドがきたところで最大限の価値を引き出すことができなくなります。
あなたのスリーベットレンジに、JJ+以外のプレミアムじゃないハンドも多く含めることで、
上手いプレイヤーから搾取されず、逆にあなたが搾取する側に回ることができます。
4.スリーベットをすることによって、プリフロップでポットを勝ち取ることができる。
当たり前のことですが、相手のオープンレイズに対してコールをしても、プリフロップでポットを獲得できるチャンスはゼロです。
それと比べ、相手があなたのスリーベットにフォールドした場合、すぐにでもそのポットはあなたのものとなります。
特に、ほとんどのプレイヤーがしっかりとした4-ベットレンジがありません。
相手はスリーベットをされ慣れていないことから、高頻度でポットを獲得できる可能性が高いです。
スリーベットをするレンジについて
スリーベットのレンジは大きく分けて2つあります。
一つは、マージドレンジと呼ばれる、主にブラフはせずにプレミアムハンド、上位の強いハンド、プレイアビリティの高いハンドで構成されるレンジです。
例えば、6人テーブルでのUTG+1のオープンレイズに対して、BTNでの以下のようなスリーベットレンジを「マージドレンジ」と言います。

赤=3-ベット それ以外=フォールド(※場合によってコールするハンドもあり)
上記のレンジにはブラフハンドはなく、強いハンドやプレイアビリティが高いハンドのみが含まれており、
スリーベットにコールされたとしてもポストフロップで十分に戦っていけるようなハンドです。
注意点としては、98sのようなスーテッドコネクターは、他のハンドと比べ決して強いハンドとは言えませんが、98sや、あるいは76sのようなスーテッドコネクターで一切スリーベットをしないとなると7♦6♣5♠のようなボードの際に、あなたのレンジにツーペア以上の強い役が一切なくなってしまい、相手からつけ込まれる可能性が出てきてしまいます。
なので、スーテッドコネクターのような高いプレイアビリティを持つハンドをスリーベットレンジに含ませることが重要となります。
特に以下のような状況の場合、このようなマージドレンジを使うことが推奨されています。
・オープンレイザー、あるいはあなたの後ろのプレイヤーがコーリングステーションの場合。
・オープンレイザーが強いプレイヤーで、ポストフロップで難しいプレイをしてくる。
・あなたがスモールブラインドにいるなど、コールするには不利なポジションにいる場合。
このような状況の場合、ブラフハンドが含まれていないマージドレンジを使うことがお勧めです。
もう一つのスリーベットレンジは、ポラライズドレンジと呼ばれる、プレミアムハンドとブラフのハンドで構成されるレンジです。
ポラライズされたスリーベットレンジは、極端で、非常に強いハンドとコールするには弱すぎる、
しかし相手の強いハンドをブロックしていたり、コールされてもドミネートされにくいようなハンドで
構成されていることが一般的です。
※ドミネートされているとは、あなたがAJを持っている時に相手がAKを持っている場合など、1枚のカードは同じでキッカー負けしている状況のこと。
皆さんはA5sやK6sなどでスリーベットをしているプレイヤーを見たことがないでしょうか?
このようなハンドは、スリーベットブラフには非常に適したハンドと言えます。
例えば、もしあなたがカットオフに座っていて、それよりも前のプレイヤーがオープンレイズをした場合、
これらのハンドはコールするにはあまりにも弱すぎます。
一方で、AやKを持っていることにより、相手がAAやKKやAK、あるいはKQs、KJsのような非常に強いハンドを持っている可能性をブロックしています。
こういったコールするには弱いハンドでもスリーベットすることによって、本来ならば獲得できないポットも獲得でき、さらに弱いハンドでもレイズすることで、本当に強いハンドでスリーベットをしたときに、最大限バリューを取るのに役立たせることができます。
あくまで一例ですが、以下のような3ベットレンジがポラライズドレンジとなります。

赤=3-ベット 緑=コールまたはフォールド ピンク=3-ベット それ以外=フォールド
特に以下ような状況の場合、ポラライズされたスリーベットレンジを使うことがお勧めされています。
・オープンレイザーが3ベットに対して半分以上の高い頻度でフォールドをする。
・スリーベットよりコールした方が良いハンドが多数ある状況。
例えばあなたの左に座っているプレイヤーが非常に弱く、ポストフロップでミスばかりをするプレイヤーの場合などは、JTsのようなマルチウェイでも戦いやすく、ポストフロップで非常に強い役を作り得るハンドでは、スリーベットをするよりあえてコール止めをすることが利益的になることがあります。
コール止めをすることで、その弱いプレイヤーもポットに参加させ、ポストフロップで役ができた際に
その相手から多くのチップを取ることが可能となるからです。
上記の二つのような状況の場合、
マージドレンジよりもポラライズされたレンジでスリーベットを行うことがお勧めです。
注意としては、これら2つのレンジは「どちらかを使う」と言った相対的なものではなく、対戦相手やポジションによって使い分けていくことが重要となります。
スリーベットのサイズについて
マージドレンジ戦略を使う場合、スリーベットのサイズは、ポジションがある状況では目安としてオープンレイズの3倍程度にレイズするのが良いとされています。
反対にアウトポジションの場合は、オープンレイズの3.5倍から4倍程度にするのが良いとされています。
(※このレイズサイズは、100BBの有効スタックを想定しています)
ただ、ライブのキャッシュゲームなどで、あなたがディープスタックでプレイをしており、相手が弱いレンジでもコールをしてくるコーリングステーションの場合などは、それよりも大きいサイズのレイズをしても問題ありません。
むしろその方がエクスプロイト戦略としては適していると言えます。
ポラライズドレンジの場合、一般的にはレンジが極端になればなるほど、大きめのサイズを取るのが理論的には正しいプレイとなってきます。
少なくともマージドレンジよりは大きめのサイズを使うようにしましょう。
スクイーズについて
スクイーズとは、誰かがプリフロップでレイズをし、1人以上がコールをしたときにスリーベットを仕掛けて、より良いポットオッズでポットを奪いにいくことを図るプレイのことを言います。
例えば、カットオフのプレイヤーが3bbのレイズをし、ボタン、更にはスモールブラインドのプレイヤーがコールをしたとします。この際に、ビッグブラインドのプレイヤーが20bbなどにスリーベットをしてプリフロップにおいてポットを奪いに行くプレイがスクイーズとなります。
もしもカットオフのプレイヤーの3bbレイズに対して誰もコールをしなかった場合、ビッグブラインドから通常サイズの12bbした時のオッズは、3.5bbのポットに対して12bbのリスクを取っているので、およそ3.5:1の比率となります。一方で上記のような例の場合、9bbのポットに対して20bbのリスクを取っているので、およそ2.2:1の比率となります。
20bbという大きいサイズを使っているのにも関わらず、よりよいオッズでポットを獲得できるチャンスということがわかります。
スクイーズは本来、普通の3-ベットと同じような目的ですが、ポットがマルチウェイになる可能性をできるだけ低くするために、より大きなサイズでの3-ベットが要求されます。
一般的に、1人コールしているプレイヤーがいる場合、オリジナルのベットの4倍程度にレイズすることがお勧めされています。
コールしているプレイヤーが2人いる場合、5倍近くまでスリーベットを大きくしてスクイーズを狙うのがベストです。
なお、アウトオブポジションの場合は、更に大きいサイズを使いましょう。
ただし、サイズに関しては、セオリー通りにやるというよりは、相手の傾向に応じて調整するのが一番です。
例えばコーリングステーション相手にあなたがAAを持っている場合、もっと大きいスリーベットをしても利益的になるでしょう。
スリーベット戦略を調整するにあたり、考慮すべき点
相手の傾向や状況によって、スリーベット戦略を調整することは重要です。
特に、以下の要素が考慮すべき点となります。
・相手がこちらのスリーベットに対してフォールドをする頻度
あなたの3-ベットによくフォールドするプレイヤーに対しては、弱いハンドでの3-ベットブラフを多くしましょう。
反対に3-ベットにほとんどフォールドしてこないプレイヤーの場合は、ブラフの頻度を下げ、強いハンドで構成されたバリューに寄ったレンジでスリーベットを多くしましょう。
・後ろのプレイヤーの傾向
スリーベットをする前に、必ず左隣のプレイヤーのことを考えるようにしましょう。
相手からスクイズされる可能性が高ければ高いほど、コールをするレンジを狭くし、スリーベットの頻度を上げてください。
場合によっては、スリーベットorフォールド(プリフロップでコールをせず、スリーベットあるいはフォールドのみを行う戦略)の戦略を取ることも有効です。
・オープンレイザーのポストフロップでのアグレッシブさ
もし相手のプレイヤーが弱く、ポストフロップのプレイが下手であるなら、より高い頻度で3-ベットブラフをし、フロップで高い頻度でCベットをすることでエクスプロイトしましょう。
逆に、ポストフロップが上手くてアグレッシブなプレイヤーに対しては、3ベットブラフを控えるべきです。
最後に
最後になりますが、筆者がアメリカのライブキャッシュゲームで荒稼ぎした3-ベットレンジを公開したいと思います。
あくまで私のアグレッシブなプレイスタイルにあったレンジとなっておりますので、ご参考までにご覧ください。

赤=ほぼ常に3-ベット 水色=3ベット・コール・フォールドの混合戦略
特にローステークスのキャッシュゲームや、アミューズメントカジノなどでは、ほとんどのプレイヤーが適切なフォーベットレンジがないため、このようなレンジでスリーベットをより多くすることでエクスプロイトをすることが可能です。
上記にも説明しておりますが、対戦相手やポジションによってレンジを変えることも大切です。
ルースな相手に対しては多くのマージドレンジで小さめのスリーベットをし、反対にタイトな相手や上手いプレイヤーにに対してはポラライズされたレンジで大きめのスリーベットをするなど、適切に戦略を変えていくことが重要です。
こういったレンジをもとに自分に合ったスリーベットレンジを構築していきましょう。
本記事を読んだことによりあなたがよりアグレッシブにスリーベットをして、更に勝てるようになれば幸いです。
以上となります。
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