ポーカー民の皆さんこんにちは。
本記事では、「ブロックベット」について解説していきます。
ブロックベットは、ポーカーを長くやっている方なら聞いたことのある戦略ではないのでしょうか?
ブロックベットは、正しい状況下においては有効なプレイであるということが近年明らかになっています。
本記事では、ブロックベットとはそもそもなんなのか、そしてブロックベットが有効的な場面を解説していきます。
ブロックベットとは?
「ブロックベット」とは、ポジションがないプレイヤーが、相手が大きくベットをすることを防ぐために行う比較的小さいベットのことを指します。(通常ポットの15%-35%のベットサイズ)
ドローがある状況のターンや、中程度のハンドを持っている状況でのリバーが、ブロックベットが一般的に使われるシチュエーションとなります。
ブロックベットが効果的な状況
前述の通り、基本的にブロックベットはターンでドローのあるハンドでのベット、あるいはリバーで中程度のハンドを持っている場合にすることが一般的となります。
まずはリバーでのブロックベットについて解説していきます。
リバーでのブロックベット
リバーでは、以下の要素が揃っている場合においてブロックベットを考えましょう。
・自分のハンドの方が相手より良い可能性が高いと考えているが、確実ではない。
・もしこちらがチェックをした場合、相手から中~大のベットが飛んでくる可能性があり、難しい判断を迫られる危険がある。
・こちらが中~大きいベットをした場合は自分より強いハンドからしかコールが貰えない。
例をみてみます。
例: 【オンラインキャッシュゲーム】
$0.5-$1 6-max 有効スタック100bb
UTGのプレイヤーが2.5bbのレイズをし、ビッグブラインドのあなたは6♣6♠でコールを選択。ヘッズアップです。
フロップ(5.5bb):J♠7♥3♠
あなたはチェックをし、UTGが1.8bbのコンティニュエーションベット、あなたはコールを選択。
ターン(9.1bb):J♠7♥3♠ 2♣
あなたはチェックをし、相手もチェックを選択。
リバー(9.1bb):J♠7♥3♠ 2♣ J♥
あなたのターンです。
このような状況の場合、ソルバーによるとあなたは2.5bb程の小さいブロックベットをすることが推奨されています。

ここでのブロックベットの一つ目の理由は、相手が3や2のペアを持っている場合、もしくはエースハイなどのようなハンドから「シンバリューが取れる」ことです。
もしあなたがチェックを選択した場合、このような相手のハンドは簡単にチェックバックを選択でき、あなたはバリューを取り逃がす結果となります。
また、もしあなたがチェックをした場合、相手がもし88や99、TT、もしくはオーバーペアを持っている場合、ポットの半分以上のベットをする可能性が高いです。
そうなると、コールをしてより多くのチップを失うか、このシナリオでは相手のレンジに対して比較的高いエクイティを持つ66をフォールドすることになってしまいます。
もしあなたがブロックベットをして、相手がJのトリップスを警戒して上記のようなハンドをジャストコールをした場合(ほとんどのプレイヤーはパッシブで、レイズをしない可能性が高い)、あなたの損害はたった2.5bbです。
なので、シンバリューを取れる可能性もあり、かつ負けている時の損失を抑えるためのベットは有効と言えます。
一方で、もしここで50%以上の大きいサイズのベットをしてしまうと、ほとんどのあなたより弱いハンドにフォールドをされてしまい、負けているところからしかコールされないことが予想されます。
なので、25~30%程の小さいブロックベットが効果的となります。
ドローの際のブロックベット
続いてはあなたがドローを持っている際のブロックベットです。
まずは例をみてみましょう。
例:【ライブキャッシュゲーム】
$1-$3 9-max 有効スタック100bb
BTNのプレイヤーが4bbのオープンレイズをし、ビッグブラインドのあなたは8♠7♠でコールを選択。
フロップ($25): A♠6♥3♦
あなたはチェックをし、相手もチェックを選択。
ターン($25): A♠6♥3♦ 3♠
あなたのアクションです。
ターンによって、あなたのハンドはフラッシュドローに発展しました。
この状況において、あなたはブロックベットを考えることができます。
まず、もしこのハンドでチェック選択した場合、相手から大きいベットが飛んでくる可能性があり、相手のベットに対してコールするにはオッズが合わない可能性が出ます。
あなたがフラッシュを完成する確率は約18%であり、相手がもし30%以上のベットをしてきた場合、単純なポットオッズだけを考えれば、あなたはコールするためのオッズは足りません。
例えば、相手が66%のベットをしてきた場合、あなたは30%の勝率がないと利益的なコールはできません。
(※インプライドオッズを考慮しない場合)
一方で、もしあなたがポットの25%程のブロックベットをした場合、結果として以下の3つが考えられます。
・相手がフォールドをする。
相手が何もない場合、フォールドをする可能性は十分に考えられます。
その場合、あなたは現状8ハイという非常に弱いハンドでポットを獲得できるため、非常に良い結果と言えるでしょう。
・相手がコールをする。
相手がコールをした場合、安くリバーを見ることができます。
もしリバーでフラッシュを引ければ、比較的安い投資で良いリターンが得られることができます。
・相手がレイズをする。
相手がレイズをしてきた場合は、フォールド、またはポットオッズによってはコールができます。
ここで、あなたがチェックをし、相手がベットをした場合と、あなたがブロックベットをし、相手からレイズをされた場合のポットオッズを比較してみましょう。
チェック→相手が$15(ポットの60%)のベット
コールするために必要な勝率: 約27%
$5(ポットの20%)のブロックベット→相手が3倍レイズ$15
コールするために必要な勝率: 約18%
$5(ポットの20%)のブロックベット→相手が4倍レイズ$20
コールするために必要な勝率: 約23%
多くのプレイヤーは、あまり相手のポットオッズを考えずに単純に相手のベットの2.5倍~4倍のレイズを好むことが多いです。
それを考えて比較してみると、ブロックベットをした際は普通の60%程のベットをされた際よりも良いオッズになることがわかります。
(※こちらでもインプライドオッズ・リバースインプライドオッズの考えは一旦省いております)
以上の3つの結果を踏まえると、ドローでのブロックベットをすることは「ある程度有効」と言えます。
特に、相手がレイズなどをあまりしないパッシブなプレイヤーの場合、ブロックベットは確実に効果的と言えるでしょう。
ブロックベットをする際の注意点
ブロックベットを戦略の中に入れる際は、必ずバランスの取れたベットレンジを構築することを意識しましょう。
もしあなたがドローの際に常にブロックベットをしている場合、相手はレイズを頻繁にすることでそれにつけ込むことができます。
リバーでも、もしあなたが中程度のハンドでしか常に小さいベットをしない場合、相手は中程度のハンドでもレイズをし、積極的にシンバリューを取りに行くことができてしまいます。
あなたが強いハンドを持っている際も同じようなアクションをすることで、相手は中程度のハンドやブラフでのレイズをすることを恐れ、ブロックベットの有用性をあげることに繋がります。
最後に
ブロックベットは、効果的に使うことができれば非常に有効な戦略です。
ただ、もしあなたがバランスの取れたブロックベットの戦略を取れない場合、
ブロックベットは使用しない方がむしろ良い結果となり得ます。
ブロックベットをする際はエクスプロイトをされる対象とならないようにバランスを常に意識しましょう。
以上となります。
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