ポーカー民の皆さんこんにちは。
今回の記事では、もしあなたがポーカーをやっている、あるいは始めようよしているのなら絶対に知っておかなければならないポーカーの基礎、「ポットオッズ」について解説していきます。
この記事では、ポーカーにおける「オッズ」とは何か、そしてその計算方法を順に追って説明していきます。
その後、3つの例を使ってシチュエーションごと(プリフロップとポストフロップ)のポットオッズについて解説していきます。
ポットオッズとは何か?
ポットオッズとは、ポット全体の大きさとあなたが直面しているベットの大きさの「比率」を表します。
ポット全体の大きさというのは、その時に相手から賭けられているベットも含まれるということに注意をしましょう。
例えば、ポットに2000円があり、相手が1000円を賭けた場合、あなたのポットオッズは3対1です。
(2000+1000:1000)
あなたがこのポットを獲得するためには、ポットに対して1/3の量のチップを払わなければならないということです。
ポットオッズは、ポーカーで相手のベッドにコールする時における数学的基礎となるものです。
この基礎がなければ、どのコールが利益的で、どのコールが逆に損なのかを判断することができません。
ポットオッズの計算方法
ポットが1000円で、相手が500円のベットし、ポット総額が1500円になったとします。
この場合では、あなたがコールした場合、オッズは1500:500となり、約分すると3:1となります。
オッズをパーセントに変換して、相手のベットにコールするために自分のハンドがどれくらいの勝率(エクイティ)を必要とするかを正確に把握しましょう。
以下で、ポットオッズをパーセンテージに変換するステップを説明します。
ステップ1:コールした場合の最終的なポットサイズを計算する。
上記の例の場合、ポット総額が1500円で、コールするのに必要な金額が500円ですから、
コールした後のポットは2000円(ポット総額1500円+コールするのに必要な500円)となります。
なので、最終的なポットの合計は2000円です。
ステップ2:コールするのに必要な金額を先ほどのポッドの合計金額で割る。
例の場合、0.25(コールに必要な額500円 / 最終的なポット合計額2000円)となります。
この数字に100を掛けて、小数をパーセンテージに変換します。
すると「25%」となります。
つまり、コールした時に利益を得るためには、25%以上の確率で勝たなければならないということです。
次のステップは、あなたのハンドが相手のレンジに対して少なくとも25%の勝率があるかどうかを見極めることです。
以下の例を使い、その方法を解説していきます。
ポットオッズの使い方:プリフロップ
例えば、あなたが$0.50/$1.00、6ハンドのオンラインキャッシュゲームをプレイしているとします。
あるプレイヤーがハイジャックから$3にレイズし、ビッグブラインドのあなたまでフォールドで回ってきました。あなたのハンドは8♠6♠です。ポットオッズに基づいて、コールして利益を得られるかどうか考えてみましょう。
①まずは、コールした場合の最終的なポットサイズを計算する。
3ドル(レイズの大きさ)+1ドル(あなたのビッグブラインド)+0.50ドル(スモールブラインド)+2ドル(あなたがコールに必要なベット)=6.5ドル となります。
あなたはすでにビッグブラインドとして$1をポットに入れているので、コールするのに必要なベット金額は$2であることに注意しましょう。
②次に、コールするのに必要な金額を最終的なポットの合計金額で割る。
コールするのに必要な金額 $2 / ポットの合計金額 $6.5 = 0.307
これに100を掛けてパーセンテージを出します。
すると、0.307 × 100 = 30.7%となり、つまりあなたがコールするのに必要な勝率(エクイティ)は30.7%です。
③最後に、あなたのハンドがコールするのに十分な勝率を持っているかどうかをみる。
ここで、相手のレンジを推定し、あなたの8♠6♠がそれに対して少なくとも30.7%のエクイティを持っているかどうかを計算する必要があります。
相手はハイジャックからレイズしてきたので、一般的なカットオフのレイズレンジを使用して推定してみます。
こちらの図が一般的な大体のハイジャックからのオープンレンジです。

赤=レイズ グレー=フォールド
次に、このレンジとあなたのハンドを勝率計算機に入力し、あなたがコールをするのに十分なエクイティを持っているかどうかを確認します。
こちらのサイトなどを利用して、値を求めることができます。
計算機にいれると8♠6♠ はハイジャックのレンジに対して約36% の勝率があり、あなたは利益的にコールできることがわかります。
ただしこの計算には、この記事の内容の範囲外にはなりますが、もう一つ要素があります。
「エクイティの実現性(勝率実現)」と呼ばれるもので、そちらは別記事で解説しておりますので、そちらをご覧ください。

ポットオッズの使い方:ポストフロップ
同じハンドで再現してみましょう。
ハイジャックのプレイヤーが$0.50/$1.00 のキャッシュゲームで $3 にレイズし、あなたがビッグブラインドで8♠6♠を持っています。
あなたはコールするのに十分なエクイティがあることがわかったので、コールを選択します。
フロップ: Q♠ 2♠ 7♦
あなたはチェックをし、相手は$4 をベットしてきたとします。
このベットをコールして利益を得られるかどうか、手順を追って見ていきましょう。
①コールした場合の最終的なポットサイズを計算する。
6.50ドル(元々のポットの金額)+4ドル(相手からのベット金額)+4ドル(あなたがコールするのに必要な金額)=14.50ドルとなります。
②コールのサイズを最終的なポットサイズで割る。
コールするのに必要な $4 / 最終的のポット合計額 $14.5 = 0.276
100をかけてパーセンテージを出します:
0.276 ×100 = 27.6%
つまり コールするのに必要なエクイティは27.6%です。
③あなたのハンドが相手のベットに対してコールするのに十分なエクイティを持っているかどうかをみる。
計算を簡単にするため、今回はあなたが持っているハンドのみに焦点を当て、相手のレンジを推定するのは省略します。
代わりにあなたが必要なアウツの数を考えてみましょう。
フラッシュを完成するには9つのアウツがあり、ターンでは約18%の確率でフラッシュになります。
(ダイアモンド9枚 / 残りのカード47枚)
ペアを作るには6枚のアウツがあります。
(8が3枚+6が3枚=6枚 / 残りのカード47枚→ターンでペアができる確率はおよそ12%)
そして、6枚のアウツでストレートドローになることができます。
(およそ12%の確率)
さらに、もしターンでアウツを引けなかった時に相手がベットしてくるとは限りません。
その場合、あなたはリバーを無料で見ることができ、また18%の確率でフラッシュを完成させることができる可能性があります。
これら全てを考慮すれば、相手のベットに対して27.6%以上の勝率があり、「利益的なコールができる」ことがわかります。
ポットオッズの使い方:リバー
あなたがカットオフのレイズに対して、ビッグブラインドにて T♣8♣ でコールしたとします。
フロップ: T♦ 9♥ 2♣
あなたはチェックし、相手のベットに対してコールしました。
ターン:T♦ 9♥ 2♣ 3♥
あなたは再び相手のベットをチェックコールしたとします。
リバー:T♦ 9♥ 2♣ 3♥ 3♣
相手はポット額 $100 に対して $50 を賭けてきたとします。
このベットに対し、先ほどの順序に沿って相手のベットに対してコールできるか見極めてみましょう。
①あなたがコールした場合の最終的なポットサイズを計算する。
50ドル(相手のベットサイズ)+ 100ドル(元のポットサイズ)+ 50ドル(コールするのに必要な金額) = 200ドル
②コールするのに必要な金額を最終的のポットの大きさで割る。
コールサイズ$50 / 最終ポット金額 $200 = 0.25
100をかけて0.25 × 100 = 25%
③あなたのハンドがコールするのに十分なエクイティを持っているかどうかをみる。
これをするには、相手のレンジとあなたのハンドを勝率計算機に入力する必要がありますが、まずは相手のレンジを推定する必要があります。
カットオフからプリフロップでレイズし、
T♦ 9♥ 2♣ 3♥ 3♣
上記のボードでスリーストリート(3回のベットラウンド)全てで賭けたことを念頭に置き、相手のバリューレンジを推定してみます。
(注:バリューレンジとは相手がバリューベットをしている時に持っている可能性があるハンドの組み合わせのことを指します。バリューベットに関して詳しくはこちらの記事をご覧ください)

まず、9のポケットペア と 2のポケットペア のセット。
(TTはフロップでスロープレーをしてくる可能性が高いのと、あなたがTを一枚持っているので可能性が低くなっているため除きます)
強いツーペア。AA-JJ, T9s, ATsなど
そして、相手のブラフレンジは、ストレートのドローを引けなかったものです。
例で言うと、KQ, QJ, J8, 87s, 76s, 86s, A5s, A4sなどです。
ただ注意したいのが、ほとんどのポーカープレイヤーはブラフをあまりしません。
なので、相手のブラフレンジの組み合わせを半分に減らして計算することにしましょう。
相手のレンジを推定した後、レンジ計算機で計算をしてみると、
T♣8♣ は相手のレンジに対して 約45%近くの勝率があり、この状況では間違いなく「利益的にコールができる」ことがわかります。
ポットオッズの裏技
ポットオッズはどちらアクションを取るのかを判断するかに非常に重要ですが、毎回このように計算をするのは面倒です。
なので以下のポットオッズ表を記憶し、相手のベットサイズから大体の値を推測するのがでベストしょう。

まとめ
ポットオッズはポーカーにおいて最重要と言っても過言ではないです。
常に良い判断をしたいのであれば、自分のハンドがどの程度のポットオッズがあるのかを常に知っておく必要があります。
上記の表を携帯にダウンロードするなどして暗記をしておいて、次回プレイするときに使ってみてください。
以上となります。
ポットオッズに関連するその他の重要な定石について知りたい方は、以下のインプライドオッズに関する記事をお読みください。こちらも非常に重要な基礎ですので、ぜひご参照ください。
